総合商社・メーカー・IT企業、企画職転職成功事例集
― アラサーからのキャリア戦略を解剖する ―
目次
第1章:なぜ今、企画職転職が注目されているのか
かつては“社内調整役”のように見なされがちだった「企画職」が、ここ数年で企業変革の中核に位置づけられるようになりました。とりわけ、事業会社における経営企画・事業企画ポジションは、「経営×現場」の橋渡し役として、全社戦略の実行やM&A、新規事業の立案といった、企業成長を牽引する存在となりつつあります。
背景には3つの構造的変化があります。
- 日本企業の脱・内向き経営:人口減少・需要縮小という国内市場の制約により、多くの企業がグローバル展開や新規領域へのシフトを余儀なくされ、社内から戦略的思考を持つ人材が必要に。
- DX推進に伴う業務変革:ITを活用したビジネスモデルの再構築により、「テクノロジー×事業知見」を持つ企画人材へのニーズが高騰。
- アジャイルな意思決定の必要性:変化の早い環境下で、現場と経営陣を繋ぎ、スピーディに仮説検証できる人材が不可欠に。
こうした文脈の中で、「外資系コンサル出身」「メガバンク出身」「人材系営業職出身」など、異なるバックグラウンドを持つアラサーが次々と企画職に転身し、成果を出しているのです。
第2章:成功事例から見る、求められる人物像とは?
転職成功者たちには、明確な共通項があります。単なる職務経験や学歴ではなく、**「思考様式」と「目的志向性」**が際立っていた点です。
■ ① 共通するスキルセット
- 仮説構築力:事業の不確実性に対し、問いを立て、構造化してアプローチできる。
- ファシリテーションスキル:部門横断のプロジェクトを動かす際、関係者の利害を調整しながら前に進める。
- 数値・KPI感覚:定量的に施策効果を測定し、PDCAを回せる。
■ ② 面接通過者が語った3つの重要観点
- 「過去の経験」を抽象化して語れる力
例:「営業で得た課題発見力を、事業の初期仮説立てに応用しています」 - 「なぜ企画職か?」を一貫性あるストーリーで語れる
例:「より上流から顧客課題にアプローチしたいという思いから」 - 「貢献できること」を企業文脈で語れる
例:「DX推進にあたり、業務設計と定量評価の経験が活かせると考えています」
第3章:業界別成功事例①:総合商社
ケース:戦略コンサル→住友商事 事業企画職(30歳・男性)
■ 転職前の背景:
戦略系コンサルティングファームにてエネルギー領域の戦略策定を経験。海外案件に携わる中で、「実際に事業を動かす側」に魅力を感じ転職を決意。
■ 選考通過のカギ:
- 現場・海外子会社との共創視点を強く押し出した。
- 商社特有の「社内稟議・投資意思決定プロセス」を理解していた点が高評価。
■ 採用側が評価したポイント:
- 実務で使えるExcelモデルとDDスキル(M&A文脈)。
- 英語・財務・ロジカルシンキングに加えて、「利害関係者をまとめる柔軟性」。
第4章:業界別成功事例②:大手メーカー
ケース:メガバンク→花王 経営企画部(31歳・女性)
■ 転職前の背景:
法人営業として財務デューデリや業界分析に強みを持っていたが、より上流で経営に携わる仕事を志向。
■ 選考突破の要因:
- 過去の顧客企業分析を、自社への提案書としてリフレーミングしたことで面接官に強い印象。
- 財務指標を使って「中長期戦略をどう設計すべきか」を議論できた点が大きい。
■ 成功のポイント:
- B2BとB2C双方に通じる業界俯瞰力。
- メーカーに求められる“顧客起点”と“技術理解”の双方を踏まえたコミュニケーション力。
第5章:業界別成功事例③:IT企業(メガベンチャー含む)
ケース:人材系→リクルート プロダクト戦略部(29歳・男性)
■ 転職前の背景:
大手人材紹介会社にて営業と新規事業立ち上げに従事。定量目標管理や仮説検証に強み。
■ 選考の特徴:
- 書類段階で**「成果物サンプル(仮説→施策→効果)」**を添付し、他候補との差別化を図った。
- 面接では「なぜそれが再現可能か?」を自問自答しながら説明。
■ 採用の決め手:
- プロダクトマネジメント視点での発言。
- 定量データを起点とした「打ち手のバリエーションと優先度付け」に説得力あり。
第6章:成功者に共通する「転職準備」5つの打ち手
転職の成功は、単なる応募先選びだけでなく、「どこまで準備したか」に大きく依存します。
1. 業界・企業のリサーチ精度
- IR資料、中期経営計画、決算説明会の内容まで読み込み、企業課題を自分なりに構造化すること。
2. 志望動機の構造化
- 「Will(やりたい)」「Can(できる)」「Fit(企業に合う)」の三点セットを盛り込む。
3. リファラルの活用
- OB訪問や知人ネットワーク経由でのインサイダー情報獲得+推薦ルートの開拓が有効。
4. 職務経歴書のストーリーテリング
- 単なる職歴羅列でなく、「意思決定・困難突破・成果」の物語化が肝。
5. キャリアカウンセリングの活用
- エージェントに任せきりにせず、自分の立ち位置確認とナラティブ磨きに使うこと。
第7章:あなたのキャリアはどの成功モデルと重なるか?
最後に大切なのは、「自分の経験」と「企業が求めるスキル・資質」との重なりを言語化する力です。今回紹介した事例から、自分の立ち位置を探ってみてください。
- 商社型:多文化対応・稟議突破・オーナーシップ思考
- メーカー型:事業理解・財務リテラシー・現場との対話力
- IT型:仮説検証・施策実行・高速PDCA
おわりに:企画職は“変化をつくる職種”である
事業会社の企画職は、「答えのない問いに挑む」ことを求められます。だからこそ、アラサーというタイミングで、自分のキャリアの軸を「再定義」することに意味があるのです。
転職はゴールではなく、むしろスタート地点。成功事例に共通していたのは、「自分なりの仮説を持ち、それを相手目線で語り、行動に移した」ことでした。
自分のキャリアに真摯に向き合うすべての読者に、応援の気持ちを込めて、本稿を締めくくります。
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