コラム

ESで落ちないために意識すべき3つのチェックポイント

第1章:なぜESで落ちるのか?──現実と採用側の視点

転職活動の初期段階において、多くの候補者が最初につまずくのがエントリーシート(ES)です。特に人気企業やコンサルティングファーム、大手メーカーの企画職などでは、書類選考の通過率が10〜30%と極めて低く、どれだけ職務経歴に自信がある人でも、書き方一つであっさり不合格となる現実があります。

ではなぜ、優秀なビジネスパーソンであってもESで落ちてしまうのでしょうか?
その理由は、多くの場合「企業の視点」を想定できていないことにあります。

採用担当者がESを見る時間は、平均して1通あたり30〜90秒と言われています。その限られた時間で見られているポイントは、以下の3点に集約されます。

  • 論理性:話の筋が通っているか、構造が明快か
  • 志望度:その企業・職種への納得感ある志望理由があるか
  • 再現性:自社で成果を再現してくれそうか(過去の経験との関連性)

つまり、学歴や職歴の「スペック」以上に、「この人と会ってみたい」と思わせる説得力のある内容でなければ通過は困難なのです。特に転職市場では、ESが最初のスクリーニング手段であり、候補者の「考え方」や「本気度」を推し量る重要な材料として扱われます。

この現実を正しく理解することで、ESに対する構え方が変わるはずです。

第2章:落ちないESに必要な3つの要素──具体性・独自性・構造性

書類選考で差がつくESには、明確な特徴があります。筆者のこれまでの外資系コンサルでの採用支援やES添削経験から導かれた「3つの勝ちパターン」が以下の通りです。

1. 具体性──「何を」「どのように」「どう成果が出たか」を明示する

抽象的な表現で「リーダーシップがあります」「課題解決が得意です」と書いても、評価されません。採用担当者が知りたいのは、「どのような状況で」「具体的に何をしたのか」「どう変化を生み出したか」という実践の文脈です。

悪い例:
「私は学生時代、リーダーシップを発揮してサークル活動を活性化させました。」

良い例:
「年間参加者が20名以下だったサークルにて、SNS活用と他団体連携を企画し、半年で月間参加者数を3倍に増やしました。」

このように、数字・固有名詞・行動が入っているかが“具体性”の指標になります。

2. 独自性──自分だけの視点や選択に触れる

ESの評価では、「らしさ」や「再現性」が大きな差別化要素となります。同じような経歴の応募者が並ぶ中で、「この人ならでは」と思わせる要素がなければ、埋もれてしまいます。

独自性は必ずしも突飛な経験を意味しません。日常の中の小さな意思決定や工夫、物事の捉え方に触れるだけでも、十分にユニークさを演出できます。

例:
「全社横断プロジェクトで、最年少ながら提案を通すため、上司と非公式にリスク洗い出しミーティングを毎週主催し、合意形成を促しました。」

このような取り組みの“仕方”が、独自性の核です。

3. 構造性──PREP・STAR法で読みやすく整理する

「言いたいことは何となく分かるけれど、読みにくい」ESは意外に多く、論点が整理されていないと評価は一気に下がります。特に論理性が問われる職種(企画・コンサル・マーケ等)では、構造的に書かれているかが重要視されます。

以下のようなフレームワークの活用が有効です:

  • PREP法:Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体)→Point(再主張)
  • STAR法:Situation(背景)→Task(課題)→Action(行動)→Result(成果)

読み手が「ストレスなく」読めるかを意識して構成しましょう。

第3章:実践編|3つのチェックポイントをESに反映する方法

ここでは、具体性・独自性・構造性をどうESに落とし込むか、ステップに分けて紹介します。

ステップ1:構造を決める(PREPまたはSTAR)

まず最初に行うべきは、思いついたまま書き出すことではなく「フレーム」を選ぶことです。構造が先に決まっていれば、伝えたい内容が整理されやすくなります。

ステップ2:エピソード選定に“Why”を入れる

エピソードの抽出では「なぜその経験を選ぶのか?」という意図が大切です。単に成果を出した経験よりも、自分の価値観や判断が表れている場面の方が、独自性を演出できます。

例:
「他部署との衝突を避けるより、対話を重ねてでも根本的な構造問題を解決したい」という価値観が現れているような行動。

ステップ3:第三者視点で“行動”と“成果”にズレがないかチェック

ESの多くは「自分はがんばった」話になりがちですが、読まれるのは「何をもたらしたのか?」です。客観的に読んで、「再現性が伝わるか」「成果がロジックでつながっているか」を見直すのが重要です。

第4章:添削されるESの共通項──第三者視点と推敲の技術

ESが“通らない原因”は自分ではなかなか気づけないものです。多くの場合、それは「伝えたつもりになっている」箇所です。こうしたミスを防ぐには、以下の観点から客観的に推敲を行うのが有効です。

添削時のチェックポイント:

チェック項目内容
論理の飛躍はないか?読み手が“だから何?”と感じないかを確認
数値・固有名詞の有無抽象的な記述に終始していないか
他者と差別化できているか?「誰が読んでも当てはまる内容」になっていないか
書き手の解像度が高いか?「その場で何を感じ、どう行動したか」まで落とし込まれているか

さらに有効なのが、“他人に読んでもらうこと”です。特に転職エージェントや、同じ業界を目指す仲間からのフィードバックは、盲点をあぶり出してくれます。

第5章:まとめ──「通過するES」は誰でも書ける設計図がある

ESは、センスや文才の問題ではありません。必要なのは、相手視点で「伝えるべきこと」を、論理的に構造化して書けるかどうかです。

本稿で紹介した3つのチェックポイント──

  1. 具体性:行動と成果を具体的に描く
  2. 独自性:自分らしさや判断軸をにじませる
  3. 構造性:読み手が理解しやすい形に整理する

──を意識するだけで、あなたのESは劇的に「読まれる文章」になります。

そして、完成後の推敲と第三者からのフィードバックによって、さらにブラッシュアップすることで、書類通過率は大きく向上します。

エントリーシートは“書くもの”ではなく、“設計するもの”です。誰にでも再現可能な設計図は、今日から実践できます。

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