【実例あり】戦略コンサルES添削ビフォーアフター
目次
論理的構造で差がつく、通過するESの書き方とは?
第1章 はじめに:なぜ戦略コンサルのESは難しいのか
戦略コンサルティングファームの選考では、ES(エントリーシート)の重要性が極めて高いことで知られています。面接に進めるのは全体の応募者のうち3割以下とも言われ、書類段階で足切りされるケースが非常に多いのが現実です。
この「高倍率×短期間での選考」によって、ESは単なる志望動機の記述ではなく、“論理性”と“構造化力”のテストになっています。面接官が見るのは、内容のユニークさ以上に、「この人と5分話す価値があるかどうか」「地頭と構造化力があるか」の2点です。
つまり、「魅力的な経験をしてきた」かどうか以上に、「魅力的に伝える力」が問われているのです。これは他業界のESとは決定的に異なるポイントです。
本コラムでは、戦略コンサル特有のESの見られ方を踏まえながら、実際の添削事例(ビフォーアフター)を通じて、「通るES」「落ちるES」の違いを具体的に解説していきます。
第2章 ES評価の実態:コンサルの選考で見られている観点とは
戦略コンサルティングファームのESは、他の業界とは異なる「構造重視」の審査基準があります。一般的に見られている要素は以下の3点です。
| 評価観点 | 解説 |
|---|---|
| 論理性 | 論点が整理され、結論と理由が明確に記載されているか |
| 再現性 | 問題解決の思考や成果が「型」として応用可能かどうか |
| 独自性(差別化) | 自分ならではの視点や取り組みが、簡潔に伝わっているか |
特に評価されるのは、「自分の経験=業務での価値発揮」に結びつけられているかという点です。したがって、以下のような表現では評価されにくくなります。
- 単なる経験の羅列(例:頑張りました、貢献しました)
- 主語が「私」ではなく「チーム」ばかり
- 成果が定量的に書かれていない
- 汎用的すぎる表現(例:「課題を抽出し、解決に導いた」)
戦略コンサルのESでは、抽象化・具体化・構造化を自在に操る力が求められています。
第3章 実例①:NGパターンから学ぶ「落ちるES」の特徴
ここでは、実際に提出されたESの例をもとに、典型的なNGパターンを紹介します。
【Before】実際のES(抜粋・志望動機)
私は貴社の「クライアントファースト」の姿勢に強く共感し、社会にインパクトを与える仕事がしたいと考えて志望しました。大学時代には、ゼミ活動で地域活性化プロジェクトに取り組み、住民との対話を通じて課題解決に貢献しました。このような経験を活かし、将来的には社会課題の解決に寄与したいと考えています。
この文章の問題点は、以下の通りです。
- 志望理由が抽象的で、どのファームでも当てはまりそう
- 自身の経験と戦略コンサルの業務との接続が弱い
- 「共感」や「貢献したい」といった情緒的な語が多く、論理性が弱い
- 実績や成果に定量性がないため、再現性が判断できない
第4章 実例②:添削後のESでどう変わるか(ビフォーアフター)
上記のESを添削した結果、以下のように改善されました。
【After】添削済みES(抜粋・志望動機)
私は「未知の問題に対し、仮説検証を通じて価値を創出する力」を活かし、貴社で社会課題の本質に迫る提案を行いたいと考え志望いたしました。大学では、地域活性化プロジェクトの中で、住民の生活課題を因数分解し、「観光客の滞在時間の短さ」が根本要因であると特定。滞在促進施策(宿泊施設との提携・ナイトツアーの新設)を立案・実行し、前年比30%の滞在時間延伸を実現しました。この仮説検証型のアプローチは、貴社の業務との親和性が高いと考えています。
主な改善ポイント
| ビフォー(Before) | アフター(After) |
|---|---|
| 感情中心(共感、貢献したい) | 思考中心(仮説検証、因数分解、定量成果) |
| 抽象的な経験記述 | 問題発見→課題特定→施策→成果の構造に変換 |
| 自己PRと志望動機が分離していた | 経験→コンサル適性→志望動機が一貫している |
このように、「論点の明確化」「論理構造の明示」「定量成果の提示」によって、ESの印象が大きく変わります。
第5章 ES添削で押さえるべき3つのポイント
実例から見えてきた、通過するESに共通する要素は以下の3点です。
- 結論先行+WHY構造
最初に「結論(主張)」を述べ、その後に「理由・根拠・背景」を構造的に記載する。 - 定量性+再現性のある成果
「どのように考え、行動し、どう変化を生んだのか」を数字で語る。 - 業務との接続性の提示
自分の経験が、コンサルの業務(仮説構築・検証・分析・提案)とどうつながるかを明確にする。
単なる「頑張った話」は評価されません。「考え抜いた構造」が評価されるのです。
第6章 書類通過の確率を上げるための準備術
ESを通過させるためには、「構造」だけでなく「準備の深さ」が必要です。以下のようなアプローチが有効です。
- 事前にコンサルの業務理解を深める(例:仮説思考・課題設定・提案構造)
- 自己経験をMECEに分解・抽象化し、共通ロジックを見出す
- ESを複数人に見せて“主張が伝わるか”を検証する
- 想定質問(面接含む)と一貫性のある記述にする
また、スプレッドシートやNotionを使って、自身の経験・スキル・成果を“構造的に棚卸し”することも効果的です。
第7章 まとめ:通過するESには「正解の構造」がある
戦略コンサルのESは、他の業界と比べて格段に“構造と再現性”が重視されます。
多くの人が「経験の魅力」だけに注目しますが、実際に選考を通過するのは、「伝え方に構造がある人」です。本コラムで紹介したビフォーアフターのように、ほんの少しの書き方の違いが、面接官の評価を大きく変えるのです。
したがって、戦略コンサルのESでは以下が重要です。
- 感情よりも、論理
- 経験の羅列よりも、構造化された展開
- 自己アピールよりも、業務への接続性
「自分の過去を、未来への論理につなげる」。それが、通過するESを書くための本質です。
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