コラム

【2025年版】コンサルティング業界勢力図|転職を検討するアラサーが押さえるべき最新トレンド

はじめに:2025年のコンサルティング業界を取り巻く環境

2025年の現在、コンサルティング業界は過渡期にあります。外資系戦略ファームの再編、新興ファームの台頭、そしてクライアントのニーズの変化——これらが複雑に絡み合い、業界の勢力図を大きく塗り替えつつあります。特に注目すべきは、以下の3点です。

  • 生成AIの導入とDX支援の本格化
  • 産業横断型プロジェクトの増加
  • コンサルティングの「内製化」傾向の拡大

かつての「高度な戦略立案」や「意思決定支援」に加え、現在では「共創」や「伴走型支援」がスタンダードとなりつつあります。その結果、業界内でも機能別・業種別に特化した専門ファームのプレゼンスが向上し、従来の「Big4 vs 戦略ファーム」といった単純な分類では把握できない状況となっています。

業界全体の成長と市場規模の推移

経済産業省の資料や大手調査会社(Statista、IBISWorldなど)のデータによると、日本国内のコンサルティング市場規模は、2024年時点で約1.2兆円に達しており、2025年には1.4兆円に届く見通しです。年率約7〜10%での成長を続けており、以下のような傾向が見られます。

年度市場規模(予測)成長率(前年比)
2020約8,800億円
2021約9,600億円+9.1%
2022約1兆円+4.2%
2023約1.12兆円+12.0%
2024約1.2兆円+7.1%
2025約1.4兆円(予測)+16.7%

成長ドライバーは、以下の通りです。

  • デジタル領域(特に生成AIとクラウド統合支援)
  • ESG/サステナビリティ対応
  • 事業再編・M&A支援

特に、事業会社側がDX投資のROIを厳しく見るようになっており、「PoC止まり」から「本格実装フェーズ」への支援ニーズが拡大しています。これに伴い、コンサルファームも「絵を描くだけ」ではなく、システムベンダーやSaaSベンダーとの協業を深める必要に迫られています。

主要ファームの勢力図とその変遷

2025年時点での業界主要プレイヤーは、以下の3カテゴリに大別されます。

カテゴリ代表的ファーム特徴
戦略ファームマッキンゼー、BCG、ベイン、ローランド・ベルガー上流の意思決定支援に特化、PE案件やCxOアドバイザリーに強み
総合ファーム(Big4)デロイト、PwC、EY、KPMG幅広い領域を網羅。実行支援・BPR・システム導入まで対応
国内系・独立系ファームリブ・コンサル、インクグロウ、ドリームインキュベータ中堅企業向けや新規事業開発・人材育成に強み。スピード感と柔軟性あり

注目すべきは、Big4の中でもデロイトのリードが拡大している点です。コンサルティング領域の売上では、すでにPwCを引き離しており、特にAI/Analytics領域の投資が顕著です。一方、戦略ファームの中ではBCGが国内事業の拡張と中途採用強化で勢力を拡大しています。

また、2023年以降ではアクセンチュアや野村総合研究所(NRI)といった、テクノロジー・リサーチ起点のプレイヤーの存在感も増しており、「純粋戦略 vs 総合支援」の境界線は極めて曖昧になりつつあります。

新興コンサルティングファームの台頭

2025年は「設立10〜20年未満」の新興ファームが台頭した年でもあります。たとえば以下のような企業群です。

ファーム名特徴主な支援領域
Xymax Consulting商業不動産・都市開発系に特化エリア開発、PM、リノベーション戦略
Abeam Growthスタートアップ/ベンチャー特化IPO支援、資金調達、組織開発
カクシン「共創」型コンサルを掲げる急成長ファーム新規事業開発、プロダクト共創

これらの新興勢力は、外資系・大手総合ファーム出身者によって創業されることが多く、「大手の硬直性」に課題を感じた人材が集まる構造になっています。また、リモートベースのハイブリッド勤務や副業・兼業の許容など、柔軟な働き方を志向するZ世代・ミレニアル世代にマッチするカルチャーも魅力となっています。

戦略系と総合系の境界線の曖昧化

2020年代前半まで明確だった「戦略系=上流志向」「総合系=実行支援型」という構図は、2025年現在、かなり崩れています。以下のような業界再編や組織戦略がその背景にあります。

  • 総合ファームが戦略ユニット(Monitor Deloitte、Strategy&等)を強化
  • 戦略ファームがエンジニアリング部門やデジタルユニットを内製化
  • 元戦略ファーム出身者が業務改革やBPR領域にシフト

この変化は、「戦略的思考ができて、かつ泥臭く動ける人材」の需要が高まっていることを意味します。逆に、いわゆる「パワポを作るだけの人材」や「提案だけして去るスタイル」は、クライアントからの支持を失いつつあります。

デジタル化とAIの影響

生成AI(Generative AI)、大規模言語モデル(LLM)、RPAといった技術の進化により、コンサルティング業界のワークスタイルにも劇的な変化が訪れています。特に以下のようなトレンドが顕著です。

  • 戦略ファームにおけるリサーチ業務のAI代替
  • プレゼン資料やインサイト整理のChatGPT活用
  • コーディング不要のノーコードツール導入による実行支援の加速

この変化は「単純作業しかできない人材」にとっては脅威となりますが、逆に言えば、「問いを立て、道筋を設計できる人材」にとっては、より高度な仕事にリソースを割けるチャンスでもあります。

転職市場におけるコンサルティング業界の位置づけ

2025年現在、ビズリーチやアトラエなどの主要ハイクラス求人プラットフォームでも、コンサルファームの求人は安定的に掲載されています。特に注目される求人傾向は以下の通りです。

  • 戦略ファーム:PEファンド支援、新規事業開発
  • 総合ファーム:DX、サステナビリティ、カーボンニュートラル対応
  • 独立系:地方創生、中小企業の経営改善

年収レンジは、30歳前後で900〜1,200万円が相場で、実力次第では1,500万円以上も十分可能です。また、近年では業界未経験者を対象としたポテンシャル採用も活発化しており、事業会社出身者にとっても門戸が開かれています。

まとめ:今後のキャリア選択に向けて

コンサルティング業界は、単なる「転職先」ではなく、「自身の価値を高める修羅場」ともいえる環境です。2025年現在、その勢力図は大きく変わり、次のような判断軸が求められます。

  • 自分が身を置きたいフェーズ:構想/実行/改善
  • 自分が提供できるバリュー:戦略的思考/ファシリテーション/業務改善力
  • カルチャーフィット:柔軟な働き方/働く仲間のタイプ

本稿で取り上げた勢力図とトレンドを一つの判断材料としつつ、「どこに行くか」よりも「なぜそこを選ぶのか」という軸を明確にすることが、アラサー転職者にとって最も重要な意思決定となるでしょう。

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